製品の特徴
- 電極の耐蝕性が高い
- 環境汚染性が低い
従来のSUS316電極はFe,Ni,Crといった成分を溶出しますが、PT-DSA電極は溶出がほとんどありません。
- 隔膜電極の耐久性向上
従来隔膜電極の目詰まりはSUS電極の溶出が一因となっていましたがDSA電極は不純物の溶出が極めて少ないため隔膜電極の陽極として使用した場合、寿命が大幅に向上します。
- 取り扱いが容易
従来のSUS電極の1/5以下の重量、チタン基材を使用しているため強度も強く割れなどの心配がありません。
構造・仕様
チタン基材の表面に適切な加工を施し、触媒(貴金属酸化物)の持性を向上させてあります。加工後の基材へ貴金属含有薬液を塗布してから焼成、これを何度も繰り返し緻密な貴金属酸化物層を構築します。言い換えますと貴金属の錆をチタン基材上に被覆する事で電極としての機能を実現しています。触媒表層は微小割れが乾燥土壌様に存在しており、優れた耐久性を発揮します。
項目 |
SUS316(参考) |
PT-DSA |
材質 |
SUS316 |
チタン基材 酸化イリジウムコーティング |
電食率 |
5~200 x 10⁻⁶g/C |
1~10 x 10⁻⁸g/C |
使用可能極液電導度 |
1000µS/cm 以下 |
1000~3000µS/cm |
極液中の重金属 |
Cr, Ni, Fe等 |
微量 |
裸極での寿命※ |
2~5年 |
7~10年 |
機械強度 |
非常に強い |
非常に強い |
形状 |
48.6Φ パイプ |
27.2Φ パイプ |
※製品寿命は使用状況によって大きく変わりますので表記の年数を保証するものではありません。
使用用途
裸極として使用
全ての隔膜をPT-AN(酸除去タイプ)にすると一般に中和剤濃度は低下傾向になりますが、PT-DSA電極を裸極として併用する事で安定的に中和剤収支バランスを保つことが可能になります。
隔膜電極テクトロン用電極として使用
PT-LAN(低酸除去タイプ):スラッジ防止+中和剤収支バランスのコントロールができます。
PT-AN(酸除去タイプ):高い極液電導度で運転し排水量を最大1/10程度まで低減できます。貴金属の溶出がほとんどないため極液排水の負荷が低減します。
高い設置性
軽量、高強度なので従来設置が難しかったスペースにも容易に設置できます。自動車ボディーのように複雑な形状の被塗物は塗膜厚を均一にする事は難しく、一般にサイド部は厚く付きすぎルーフ、内面は塗膜厚が得られませんが、着きにくい部位を狙って設置することで各部の塗膜厚をコントロールすることが可能になります。
注意事項
設置上の注意事項
① 電極有効長2m/本当たり50A以下の電流でご使用ください。50Aを超える場合は設置本数を増やし分散させて下さい。
② PT-DSA電極は陽極として耐蝕性を発揮する触媒組成となっています。陰極化した状態になると電極面で水素発生反応を起こし触媒が劣化するため設置位置にご注意下さい。
取り扱い注意事項
PT-DSA電極は軽量で取り扱いが容易ですが、触媒物(貴金属酸化物)層は物理的・機械的衝撃には強くありません。取り扱いに関しまして、以下の注意事項を遵守いただきたくお願い申し上げます。
① 強い衝撃を与えないこと
② 金属片等の硬い物で叩かないこと
③ 金属片、金属ブラシ等で擦らないこと
④ 電極部を持ち運ぶ際には手袋を着用すること
⑤ 電極部に油分を付着させないこと
⑥ 保管時には強酸性雰囲気におかないこと
⑦ 高圧洗浄は行わないこと
付着物除去:PT-DSA電極局面への付着物はブチセロ等で拭き取り除去をして下さい。
PT-DSA取付動画