隔膜電極/UF装置/RO装置のポリテックス

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ポリテックスの技術について

ポリテックスは電着塗装の創成期から、この分野でさまざまなお客様と仕事をさせていただき、関連分野の理解を深めてまいりました。また、電着塗装ラインで起こるさまざまな現象の理解に時間とリソースを費やして研究してまいりました。電着塗装は生産技術としてさまざまな問題をクリアしつつ進歩してきましたが、今なお革新が続いている分野であります。

原理原則の理解の徹底

電着塗装法には複雑な化学現象と生産技術が入り組んでおり、ユーザーの求める機能や品質の仕様があり、塗料メーカーの塗料デザイン特性、そしてそれと組み合わせて動く塗装設備、それぞれがうまく機能して初めて、期待通りの品質を、期待通りの時間に、期待通りのコストで継続的に生産する事ができます。これは決して簡単なことではなく、生産工程の各部分に特化したノウハウを持つメーカーとライン管理者の連携がスムーズに行われて達成される作業であります。ここでまず第一に重要なのが、根底にある原理、現象の理解にあります。

原理原則の理解の徹底
トラブルこそ理解を深めるチャンスである

さまざまな革新が行われ生産技術として確立している電着塗装ですが、根本的に多数の化学反応が存在するうえに、生産環境を常に一定に保つのが難しという部分は現在も変わりません。環境条件が変動するためトラブルも多く期待している仕上がりが得られない事がしばしばあります。つい最近までは問題がなかったのに…、何も変わっていないはずなのに同じ結果が得られない、などの悩みを抱えているユーザー様も多いのが実情です。
ポリテックスでは会社設立当初より、自然科学は嘘をつかない、「論より証拠」をもとにさまざまなトラブルに対して理論考察と実験を通して再現し理解を深め、対応策を提案してまいりました。

ポリテックスでは定性判断だけではなく、定量判断を目指す

お客様に提案する際に「このようにすれば良くなる」というだけの提案は、多分こうなるだろう的な判断であまり役に立ちません。また、現状に対してどれだけよくなるか定量判断がないと、コスト対効果の評価ができません。そのために特別な実験⽅法や、コンピューターシミュレーションなどを開発、駆使して定量判断という形につなげます。

ポリテックスでは定性判断だけではなく、定量判断を目指す
ノウハウを詰め込んだ実験方法

前述した定量判断ですが、これは基本的に実験やシミュレーションをベースに行われています。特に実験は弊社自作の実験設備を駆使して行われます。UFやROシステムのパフォーマンスを予想するために試行錯誤を繰り返して設計・改良されてきました。特に十数年来改良を重ねてきたUFCCテストは当社設備と塗料との相性をかなりの精度で予測する事が可能です。

ノウハウを詰め込んだ実験⽅法
UF装置・UFモジュール導入の前は必ず適性を調べる

UFろ液を安定的に抽出するためには塗料とUF膜との相性が非常に大切です。このため、お客様にご提案する過程で必ず当社でUFCCテストを行います。このテストでは適性指標とフラックス指標の二つを測定いたします。これにより、導入後に予期せぬ理由でUFろ液が安定的に抽出できない、という事はほぼ無くなりました。言い換えると問題が出そうな場合は導入前に予想がつく、したがって対応も考える、対応策がない場合は納入しないの結論もあります。
この評価過程で塗料とUF膜との適合性と膜面積当たりの適切なろ液量を数値化でき、ろ液流量の保証や、改善案等を定量的に提案する事ができます。

RO装置・ROモジュール導入の前は必ず原水の水質を調べる

当社ではROシステムを導⼊していただく前に必ず原水のRO適正テストを行います。これには一連のテストが含まれ、それにより必要な前処理、後処理、膜寿命予測、得られるろ過水の品質を数値化して提案いたします。原水は一般的には季節変動が起こりますので過去の経験や得られる情報を集めて評価します。納入後も必要に応じて原水サンプル採取を行い、実験等を通して状況を確認しております。

塗膜厚シミュレーション
ポリテックスでは、長年コンピューターシミュレーションを使いながら電着塗装での塗膜厚評価をして来ました。隔膜電極システムの導入の前、あるいは導入後に被塗物の面積や形状の変化、生産速度の変化等により塗膜分布に問題が起きたとき、あるいは問題が起きる可能性があるとき、塗膜厚のシミュレーションで前もって対応策を検証することができます。大掛かりな設備投資をする前に、どれくらいの変化が期待できるかを知ることは、大きなメリットになります。塗膜に影響を与えるものは多数ありますが、それらのほとんどをシミュレーションに反映できます。塗料の特性、ワークの面積や形状、印加電圧、電着時間、電極配置、電極の隔膜抵抗、等例を挙げてみました。これらはすべて数値に変換してシミュレーションに落とし込みますが結果も数値化され、各要素と結果の間の因果関係が明確に見え、システム改善、変化対応に威力を発揮します。特に自動車のボディーなど、複雑な構造のワークを電着塗装する時に、役立ちます。
塗膜厚シミュレーション
塗料の持ち出しシミュレーション

UFシステムは、電着塗装でワーク表面に必ず残る余剰電着塗料の回収に使われます。電着工程におけるUF水洗は塗料の回収率で評価が出ますが、実際にはどの程度の塗料の持ち出しがあるのか、というのは未知数の部分が多いです。ここで、実際の多段のUF水洗水中にある固形分等を実ラインよりサンプル採取し、シミュレーション中に落とし込む事によって電着工程におけるUF水洗のモデルを構築し、塗料の持ち出し量を算出する事が可能になりました。これにより、UF水洗工程の改造や、UFろ液の使用分量の最適化等のプロジェクトに、定量的にご提案する事が可能になっております。